『防がん・抗がんの薬膳-中医学からの提案』星野泰三著(書籍)|
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書籍

『防がん・抗がんの薬膳-中医学からの提案』辰巳洋著(源草社刊)

著者紹介

著者の辰巳洋氏は医学博士(順天堂大学)で本草薬膳学院学院長。
日本だけではなく1975年に北京中医学院 (現・北京中医薬大学)を卒業されています。
辰巳氏が学院長を務められている本草薬膳学院は中国薬膳分野では最高権威機関と格付けされています。

♦本書のポイント

タイトルにある中医学とは、中国を中心に東アジアで行われてきた伝統医学です。
なお、よく混同されますが漢方医学は中国医学を元に日本で発展した伝統医学で中医学とは全く別のものです。

この本は中医学の立場でがんについて書かれています。
西洋医学の医学書とは全く異なる観点であることを理解された上でお読みください。

本の前書きで、辰巳氏は次のように語られています。
「がんに対して、西洋医学のみ、中医学のみの治療では不十分といえ、両者の長所を合わせた中西医結合治療が望ましいと考えます。そして薬膳は生活の基本である食の面から身体を調えるものです。防がん・抗がんの一助として、ぜひ日常の食生活に取り入れてみてください。がんの克服に役立つものと信じています。」(引用:防がん・抗がんの薬膳、中医学からの提案)

西洋医学と中医学、両者の良いところを取り入れることで、治療効率が上がりがんを克服できるということですね。どちらか一方に頼るのではなく両者のよいところを取り入れることが大切と著者は語っています。

さて、「薬膳」とはどのようなものなのか、ご存知でしょうか?
何となく聞いたことがあるけれど、実際はどんなものかよくわからないという方が多いかもしれません。
薬膳とは中医学理論に基づいて食材、中薬と組合せた料理のことです。
食べることで養生するもので、栄養、効果、色、香り、味、形など全てが揃ったもの。
「薬膳料理」と言われることもありますが、「膳」は「料理」の意味を含んでいるため本来は誤りです。

最初に書かれているのは「防がん」「抗がん」作用のある食材です。
食材の作用を説明した後で、分類しています。

さて、防がんを漢字で書くと「防癌」ですが、検索すると日本語のサイトはほとんどヒットせず大半が中国語のサイトです。日本では一般的には使われていない言葉ですね。
しかし、実は現代の西洋医学でも「防がん」は研究されています。

国立がんセンターが、がんになりにくい食生活として「塩分を控えめに、野菜をたっぷり食べる。脂肪を控える」などの※「がん予防12カ条」を提唱しているのがそれにあたります。
中国の伝統医学には「医食同源」、「食薬同源」という思想がありましたが、皮肉にもその思想が、医学が発達した現代になって正しいことがわかってきたというわけです。

さて、この書籍はタイプ別にがんを分けそれぞれの症状、食材、使用する薬、薬膳メニューが 詳しく書かれています。
防がん、抗がん効果のある食材、それぞれのがんを予防する方法など内容は充実。
薬膳レシピは、がんの治療による不快な症状を取り除くためのものと、がんの種類によって適したものが挙げられており、大変実用的なものとなっています。
また、料理に使用する材料はスーパーで購入できるものがほとんどですから気軽に作ることができますね。

♦本書の役立て方

この著書では、放射線療法、化学療法を行っているときに食べると良いものについても言及されています。
放射線療法や化学療法には副作用があり辛いものですから、薬膳でQOL(クオリティオブライフ)を向上させるという考え方です。
神奈川県立がんセンターの東洋医学科(漢方サポートセンター)でも同様の考え方に基づいて、治療が行われています。

がん治療でよく起こる不快な症状を抑えるための対応は西洋医学では難しいものです。
たとえば発熱、出血、食欲不振、むくみ、便秘、下痢などの症状が起こった場合は、薬膳を試してみましょう。
これこそが著書が冒頭で語っていた「両者の長所を合わせた中西医結合治療」ですね。

この本の薬膳レシピは、目次だけで10ページ分というボリュームです。
レシピはそれぞれの体調やがんの種類によって細分化されていますので、自分に合ったものが見つかるでしょう。

たとえば、発熱したときは「トマトとすいかの赤いジュース」、吐き気、嘔吐には「生姜とおくらの粥」などといった副作用を抑制できるレシピが掲載されています。

巷にあふれる他の本と異なるのは、これが薬膳のスペシャリストによる懇切丁寧な著書という点ですね。
価格は4,320円と書籍にしては若干高いかな?と思われるかもしれませんが、内容を見れば決して高くないということがお分かりいただけると思います。是非、一度この本を手に取ってご覧になってくださいね。

辰巳氏は他にも数多くの著書があります。薬膳を学んでみようと思われた方は、他の本もご覧になるのをおすすめします。

♦参考資料

※「新がん予防12か条」は以下の通りです。

=新がん予防12か条=
  1. たばこは吸わない
  2. 他人のたばこの煙をできるだけ避ける
  3. お酒はほどほどに
  4. バランスのとれた食生活を
  5. 塩辛い食品は控えめに
  6. 野菜や果物は不足にならないように
  7. 適度に運動
  8. 適切な体重維持
  9. ウイルスや細菌の感染予防と治療
  10. 定期的ながん検診を
  11. 身体の異常に気がついたら、すぐに受診を
  12. 正しいがん情報でがんを知ることから

出典:公益財団法人「日本対がん協会」HP

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